愛の花
歌え歌えと愛の歌
万人万事 孤立への反逆心が故に
畏ればかりが愛への陶酔に向かわせた
浚え浚えと愛の花
重々承知 共感への狂信性が故に
魅惑の叫びが己を死刑台に向かわせた
耳元で朝の訪れを聴くことになる筈だった日曜
贖罪か憎悪かの歯ぎしりの後 やおら落ちる意識
絞め付けられる頸動脈は 未来が無いと嘲笑う
何故こうなったのかと問う暇も無く それが現実だと嘲笑う
≪こんなことは ニュースにもならないというのなら
他人を巻き込むべきだったと 喜ばしき社会に復讐すべきだったと 今更ながら思う
存在意義を残したかったのだと 苦しみを共感させてやりたかったのだと
どこでどう間違ったのか
「そんなこと 嘘だよ 本当はさ・・・」
ただただ もう少し幸せに生きたかっただけだ
そのために 愛を掴みたかっただけだ
ほんとだよ 今更だけど 本当の本当なんだよ≫
さぁ 我が子らよ このお話をお聴きなさい
これが愛なんていう不確かなものを 幸せにつながると盲信していた 男の末路
哀れなことでしたね 愛が救ってくれるのなら
世界の愛を救うために失われる命もまた 愛が救わなければならない
そんな決定的な自己矛盾に 愚かにも気付けなかった
弾丸の飛び交う戦場で 愛なんていうものは 何の救いにもならない