ビーマニッキ(実質エリアトラウト

もう皆伝になれないおじさんがエリアフィッシングにハマる話

少女終末旅行

くらげばんちでちょいと昔に連載が始まったこの作品。その独特の世界観が前から好きで良く読んでいたんですが、アニメ化までしていたんですね。
アニメでもその世界観を壊さず、むしろカラーになってより愛着がわきやすくなっています。漫画は漫画で良かったですが、アニメはアニメでまた良い作品ですね。


この作品を見ていると、人として生きる上で、本当にささやかなコトにさえ幸せを感じる生き方ってのが、羨ましく思えます。
物も人も飽和した今のこの世界で、勿論そうとは思えない国や地域もあるけれど、小さな幸せが幸せって感じられないくらいに、今の僕は感情の閾値が高くなりすぎているのだと気づけます。



上手い飯が、好きなタイミングで手に入る世界。好きな人と、簡単にコミュニケーションがとれる世界。遊びたいもので遊べる世界。見たい漫画で、見たいテレビで、歌いたい歌で、読みたい本で、学びたい学問で、きっとそんな風に得られる当たり前は、本当は当たり前なんかじゃない、特別なことなんだろうなって思えます。


例えばこのアニメで主人公は、文字が良くわかっていませんし、知識も多くないですし、歌もよく知らないです。レーションでさえ美味しく感じ、それを幸せだと思えるのです。でも、明日喰う飯にさえ困るはずなのに落ち込むわけではないですし、暖かな家があるわけでもないのに賢く生き延びています。そんなところから、僕はこの主人公は、動物的な本能がかなり優位になっている稀有な存在なんだろうなと思えます。おそらくですが、人間は環境に依存する生き物だとはいえど、こんな終末的な環境に置かれたところで、文明をろくに知らなければ、本能で生きて、簡単には狂わないものなのかもしれませんね。主人公が独りぼっちではないからかもしれませんが、そこは空想で語らせてもらいます。