ビーマニッキ(実質エリアトラウト

もう皆伝になれないおじさんがエリアフィッシングにハマる話

管釣り日記(45) 〜16ヴァンキッシュC2000S 分解とメンテナンスについて〜

今日は16ヴァンキッシュC2000Sの分解とメンテナンス(チューニング?)してみました。
ですので自分なりのちょっとした分解の方法などをご紹介したいと思います。(ただしメンテナンスなどは自己責任で、また間違っているところもあるかも知れませんので参考程度に)



(1)必要な工具

→プラスドライバー(#0,#00)、マイナスドライバー(0.4×2.5程度、写真撮り忘れました)、六角棒レンチ(0.89mm)、スパナ(12)、ピンセット、シマノグリス純正(DG06ギア用、DG01ドラグ用)、シマノオイル純正(SP-013A)、パーツクリーナー、グリス塗布用の細筆、キッチンペーパー(ティッシュは毛羽立つのでNG、ほんとはキムワイプ級の紙が良いかも)、ギア洗浄用の歯ブラシ、金属トレー
ちなみに、ベール部分のトルクスネジなんかはチューニングする意味がないので外していません。またツインパワーなどは、マイナスネジの代わりにトルクスネジがついている箇所があるので、その場合はマイナスドライバーの代わりに、別途トルクスドライバーが必要です。



(2)分解

→スプールを外して、スプール座金を外します(これは座金を2枚外した後の写真)。イモネジが見えますね。



→続いてイモネジも六角レンチで外すとスプール受けのパーツが一式外れます。



リテーナーというナットを抑えているパーツ(カバー)も外します。パッキンが付いていて、内部への水や異物の混入を防止するようになっていますね。



→スパナでナットを外します(念のためナットとローターに合マークを付けていますが、最終的に締め込みトルクも変えたりするし、そもそも取り付け方によってはズレるのでつけなくてよいと思います)。ちなみに、このナットは逆ネジなので、通常の時計回りに回すと外れます。ナットを外すとローターまで外れます。この時点でハンドルは外しておきましょう(ローターがついていないと外しにくいので)



シマノのローラークラッチ本体です。上から見るとこんな感じ。3本の黒いネジを外すと、これが取れます。玉抜きというチューニングはここを分解して行います(後述)。なお、ここをいじらない場合は、クラッチ内部を抑えている銀色のネジは外さないこと(かなり細かいパーツなので扱いが難しいため)。



→外れました。次にシャフトに入っているローラークラッチ受けやカラーなどを外します。(組み立ての話になりますが、ローラークラッチの取り付けの際は向きがあるので注意、裏側のへこんでいるところがポッチに合うようにつけます)



→外せるところを外した後の写真。Oリングやフリクションリング(ギザギザのOリング)を外します。内ゲリ当たり(一番左下のパーツ)も00番のプラスドライバーで外します。



→0番のプラスドライバーを写真のように穴に突っ込んで、隠しネジを外します。これを外すと、リールの下のボディカバーを取り付けているネジのうち1本が外れます(これだけではボディカバーは外れません、正面のネジも外す必要があるため)。またこの隠しネジの先端には半透明のカラーもついているのですが、正直いらないので僕は外しています。



→ボディカバーの正面のネジ(ヴァンキッシュはマイナス、ツインパワーはトルクス)を外すと、こんな感じで外れます。ちなみにひとつ前の写真のネジは本体内部に入り込んじゃいましたw次の工程で行うカバーを外せば取れますので問題なし。また組み立て中の話になりますが、このネジはドライバーで押さえつけながら、ボディカバーをつけないと、取り付けようとするたびに内部に入り込んでウザいです。



フリクションリングスペーサーというボディを止めているネジを隠しているパーツを外します。手で普通に取れます。



→ボディを止めている3つのネジ、写真右のカバーでいう上2つ、下1つのネジを0番のドライバーで外すとこんな感じで簡単に外れます。内部のグリスなんかが結構垂れていますね。ドライブギアなんかはマシかな、でも他のギアには多いですねー。



→リールのピニオンギアも外しましょう。写真右のベアリング抑え板を外すと抜けますので。



→ハンドル側のボディにくっついているベアリングも外しちゃいます。ネジを外せばとれますよ。



以上が分解です。ウォームシャフト、中間ギア、メインシャフトなんかは外しません。ここのクリアランスは結構シビアで、かつ巻きの軽さには余り関係がないとメンテ屋が言っていたので(もしここもバラしたいという人は自力でお願いします)。。。




(3)脱脂
後は脱脂して、グリスやオイルを塗布して組み上げるだけです。ここからの組み上げがリールの調整に関わってきて大変なんですがね。脱脂の方法の写真は割愛しますが、基本、汚れをふき取って、パーツクリーナーにどぶ漬け&スプレーで吹き飛ばし、細かい汚れは柔らかい歯ブラシなどでブラッシングして、よく乾燥させるだけです。



→脱脂、乾燥後。かなりきれいになりましたね。ここにグリスとオイルをつけていきます。前に使っていて異音とかゴリ感など感じる時は、ベアリングの異常や、ギアにバリとかが無いか目視や触診なんかで確認しておくと良いかもしれませんね。ダメな場合はもうあきらめてメーカーに発注した方が良いと思います。



(4)グリス、オイル塗布

→ベアリングにはオイルを、ギア関係にはグリスを塗布しますよ。グリスはつけすぎに注意し、筆で歯車一枚一枚丁寧につけていきます。ちなみにシャフトにはオイルです。管理釣り場用の軽巻きを目指すチューニングなので、だいたいこんな感じで行いました。



(5)組み上げ
組み上げる際は、分解の逆の手順で行うだけですので説明は割愛します。はじめについていた様に戻すだけですが、軽くコツというか注意を。
まず適宜ハンドルを付けて、巻き心地を確認しながら取り付けることが最重要です。とくに軽い巻きにするために大切なのは下記の2点かなと思います。


A.ボディを挟み込むように止めている3本のネジの締め込みトルクに注意してください。
B.ローラークラッチの3本のネジの締め込みトルクにも注意してください。

いずれも締め込み過ぎると、ギア同士の干渉や他のパーツとギア、またはシャフトの干渉が増えるため、巻き心地が悪くなったり重くなったりします。逆に緩すぎると、正確に取り付けられなかったり、使用中に不具合が出たりします。とにかく自分にとって納得できる感じになるように、締め込みトルクをいじりながら調整してあげてください。もしかしたら他のクリアランスも大切になってくるかもしれませんが、その場合はどこが大事かぜひ教えてください!



(番外編)玉抜き
玉抜きは完全自己責任でお願いします。ここをいじると確かに軽巻き効果は得られやすいのですが、超大物なんかを掛けると、クラッチが効かず、リールが逆回転する可能性もあるらしいです。



→ローラークラッチのカバーを外し、中のシール(パッキンと樹脂カバー)を外します。



→ネジを外し、カバーを外します。この銀色のリングは外さなくてもいいです。外して洗う場合は上に乗っかっているだけなので簡単に外れますが、そのパーツをなくさないように注意。またスプリングの位置は、上から見て常に玉の左側からあてた状態でなくてはならないので、組付け間違いを起こさないように気を付けましょう。



→玉抜きします。ひとつ飛ばしで3つ抜きました。


あとは組付けて終わりです。作業自体は別に難しくはないですが、かなり細かいパーツなので無くさないように要注意です。あとグリス塗布はNGです。クラッチの危機が悪くなるので、塗布するならオイルで。



(番外編2)ドラググリス塗布

→バラして脱脂してグリス(DG01)をつけるだけ。フェルトワッシャー(右下)には裏表とも結構べったりつけてOK。




(番外編3)ラインローラーメンテナンス

→本体のバラシよりもはるかに簡単です。汚れをふき取って、オイル入れてあげるだけでOKです。左の金色のネジが止められる向きが決まっているので、ちゃんと合うように手で回しながらつけましょう。ラインローラーそのものの向きもあるので注意。ほかの方の動画を参考にしてくださいね。




話は変わりますが、iosのラインローラーを付けていたんですが、純正に戻しました。理由はローターの左右の重量バランスが崩れ、遠心力でがたつきが大きく発生したためです。あまりリールをぶん回すことはないので、通常時に気になることは無いのですが、空回し中のブレがもう気になって仕方ない・・・。
そこで7000円くらいするラインローラーを外し、純正にしたわけですが、かなりマシになりましたよ。ローターのブルンブルンっていう感覚、あれはローターの左右のバランスの崩れで起きるんですね〜。知らなかったです。もしひどい場合は板重りとかはって調整できるかもしれませんね〜^^→ラインローラーをいじっていないリールにもブルブル感があったので、0.17gのシンカーをラインローラーの反対側に上手いこと1、2枚貼ったらかなり滑らかになりました。
見た目は悪いけど、取り敢えずこんな感じでいきます(^^)調整調整。