ビーマニッキ(実質エリアトラウト

もう皆伝になれないおじさんがエリアフィッシングにハマる話

管釣り日記(58)

エステルラインの優位性について。
ここ1年程エステルラインを中心に使い続けてきて、やっぱり素晴らしいラインだと思ったので僕なりにまとめてみます。


(1)感度のよさ
エステルラインの感度は、ナイロンやフロロと比べて明らかに良いです。魚が小突いたときや、水中の障害物に接触した時など、それが分かりやすく手まで伝達されます。ナイロンやフロロではラインやロッドを見て釣りをするケースも多々ありますが、そんなことをせずとも手までちゃんと伝わってくるという点は他のラインと比べて優位だと思っています。エステルを使った後にナイロンを使うと、情報量が著しく乏しく思えてしまうくらいには感度に差があります。同じような高感度のPEよりも優れている点としては、比重が水に近いことによる水への馴染みやすさですね。巻物をするときは比重が小さく水に浮いてしまうPEやナイロンよりも使い易いです。
ただし瞬間的な引っ張りに弱く切れやすいとか、根ずれに弱いとか、バックラッシュしやすいというライントラブルもあります。そのため、大きな合わせをしてしまいがちだとか、ドラグ設定が良く分からないとか、フェザリングが出来ないだとかいった初心者にはオススメできないのも事実です。それでも、情報量の多さという点では一日を通して最も活躍の場があるラインなのではないかなと僕は考えています。一日釣りをする中では中活性以下の魚に対して探りを入れて、1匹を絞り出すための情報を得るケースの方が圧倒的に多いですしね。

(2)巻物のしやすさ
簡単に(1)でも書きましたが、感度という点ではPEだっていいですし、そもそもPEの方が細くても強いラインだといえます。それでもエステルを使う理由は巻物をする場合に優位だからです。エステルは比重が水に近いため、ほぼ水に対してストレートに入っています。PEはかなり浮き、ナイロンは若干浮き、フロロは若干沈みますが、ルアーの操作性では自分の想像する棚を泳がせやすいという点でエステルに分があります。特にマイクロスプーン使用時には、PEやナイロンと比べてエステルの方が沈むため、中層以下を攻めやすいことが利点ですね。
ちなみにエステルよりもフロロの方が沈むのでボトム付近ではフロロの方が良いように思えますが、フロロでは感度、つまり情報量が足りないのです。マイクロスプーンを用いたスローな釣りでは小さな当たりにもちゃんと合わせを入れないと難しいわけですが、そんな中で情報量を減らすことは出来ません。勿論、あえて情報をシャットダウンして、目的とする感度だけを得られるくらいの力量があればフロロでも良いのかもしれませんが、僕くらいの地力では総合的にフロロよりもエステルの方が使いやすいと判断しますよ。それに、同じポンド数なら普通はフロロよりもエステルの方が細くできているため、飛距離という点でも分がありそうです。

(3)安価
続いての利点はその安さですね。ナイロン、フロロ、PEの中で最も安価なラインです。その分劣化が早く、ランニングコスト的にはどうなの?って思う部分もありますが、PE以外はどれも数回の釣行で巻きかえるラインで、大きな違いがないですから、安いに越したことはないですよね。僕は大体4〜5回くらいの釣行で75mを巻き替えます。実売800円程度の150mのエステルラインならば、ロッド1本あたり1回の釣行で100円くらいかかる計算です。勿論、明らかに劣化が見て取れる場合はもうちょっと早めに交換しちゃいますが・・・、それでもスプーン1/4個くらいの価格だと思えば安いものです。


とまあ、色々書きましたが、エステルにはデメリットも当然あります。少し書きましたが、劣化が早い、バックラッシュしやすい、切れやすいなどですね。ただしこれらはユーザー側の対処でどうにでもできる部分でもあります。劣化が早いならちゃんと巻きかえればいいし、バックラや切れやすいなどなら、フェザリングしたりロッド操作を丁寧にやればいいだけです。ちなみに個人的にはですが、劣化していないエステルなら大物を掛けたところでそこまで切れるラインではありません。それでも切れるというのならば、そもそもメーカーの問題か、大合わせし過ぎてているか、ドラグをきつくしたうえで強引なやり取りをしてしまうような使い方をしているか、劣化を見抜けていないかとかいうだけの話で、それ以外ではまず問題ないと思います。
以上、使っていない方にはぜひ使ってほしいラインですね。